巻機山の再生

農大カフェで行われている展示をみていました。非常に素晴らしい功績であると素直に実感しました。こうした努力が30年という間、あまり人知れずそれでもしっかりと着実に力強く続けられてきたということに尊敬の念を禁じ得ません。ただただこの事業に携わってこられた多くのボランティアのみなさまに深く頭の下がる思いです。我々は建築に携わるものとしてこうした事実や重みをいかに受け止め考えながら、その中で自己の仕事の中に如何にしてその意義を理解し、生かしていくかを考えなければならない使命があると自然と思い至ります。今社会の中であらゆるモノ・ヒトが荒廃し、みるべくもなく無惨な醜態をさらし続け、また増殖しています。もう政治や社会がどうということではなく、社会が崩壊し、国家が自滅し、我々は有史以前といってもいいぐらいの自己責任とモラルに基づく個人からの出直しを求められ、またその事実に直面していると思います。自然への畏怖、いや、もっと大きな「あるべきモノ、あるべき姿への敬意」を如何にして自らの中に取り戻すか、または次世代へと伝える、いや、一緒に考えていくか、宗教ほどセンチメンタルでもモラリステ
ィックでもなく、設計者として、科学の、論理の側の一端として、もう少しずつ思考していきたいと感じます。from Treo680